
結論からお伝えします。日本人とオンラインサロン/クローズドSNSは相性抜群です。推し活やファンマーケティングは、オープンSNSよりも“閉じた場”だからこそ、真に盛り上がります。これは、先ごろ実施された国際調査*によって裏付けされた事実です。
その背景には、日本人の文化的気質──「ハイコンテクスト文化」があります。言葉にしなくても空気や文脈で理解し合うスタイルは、まさにクローズドな場に最適。
本記事では、Meltwater社の分析結果を参考にしながら、
- 日本人のハイコンテクスト文化とは何か
- 推し活やファンコミュニティがなぜ「閉じたSNS」で盛り上がるのか
- 企業や個人がオンラインサロンを活用する上でのヒント
- WOWNがおすすめするクローズドSNS・FAZZYの特徴
をわかりやすく解説していきます。
*:SurveyMonkey社によるNet Promoter® Score (NPS) Survey。本記事では、Meltwater社の分析結果を参照しています。
国際調査が示す「文化による違い」
近年、消費者行動を測る上で注目されているのが、各国の文化的背景を考慮した分析です。特に興味深いのが、Meltwater社が発表した分析結果「世界の”推したい度”を比べてみた NPS®から見る国別の消費者傾向」です。
この調査では、同じ商品やサービスに対する評価であっても、国によって大きく異なる傾向が明らかになりました。
NPSとは?顧客の本音を数値化する画期的な指標
NPS®(Net Promoter Score)は、顧客ロイヤルティを測る国際的指標として活用されています。簡単にいうと、「この商品・サービスを友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」と質問して、0点~10点で回答してもらう調査手法。
単純な「満足していますか?」ではなく「人に勧めたいですか?」と問うことで、より深いロイヤルティを測ることができるのです。
国ごとの傾向と日本のランキング

興味深いことに、同じ商品に対する評価でも、国によって大きな差が生まれます。
日本での結果は、調査対象国のなかで最もNPS®スコアが低い-52。一方ブラジルでは、日本とは対照的にNPS®スコアは+62と、調査対象国のなかで最高値を記録しました。
このように数値が大きく開いた原因は、商品やサービス品質の違いではありません。文化的なコンテクストの違いによるものなのです。
数値をそのまま比較できない理由
NPS®スコアには、各国の文化や評価スタイルが大きく影響します。したがって、文化的背景を読み解くことが、製品やサービス改善につながります。
「空気を読む」、そして「謙虚さ」や「慎ましさ」が尊重される日本の文化的気質が数字に影響し、実際の満足度以上に控えめな評価となって現れているのです。調査結果の分析にあたっては、こうした文化的背景を考慮する必要があります。
ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化とは?
文化を“文脈”で理解するという考え方
「コンテクスト」は、直訳すると「文脈」のこと。
文化を「文脈で語る」というのは一見わかりにくいですが、要は その場にいる人々の前提や共有された背景に依存してコミュニケーションが成り立つ文化 という意味です。
たとえば、日本では「察する」「空気を読む」といった表現が日常的に使われます。これは相手が何も言わなくても「その人の立場・状況・過去の経験」などを“文脈”として踏まえ、意味を補って理解するからです。
こうしたスタイルを ハイコンテクスト文化 と呼びます。
一方で、アメリカやドイツのように「誰にでも分かるように明確に言葉にして伝える」スタイルを ローコンテクスト文化 と言います。
- ハイコンテクスト文化:空気や背景を読み合う、暗黙の了解で成り立つ(日本・中国など)
- ローコンテクスト文化:言葉でハッキリ説明し、誰でも理解できるようにする(アメリカ・ドイツなど)
日本文化の特徴
ハイコンテクスト文化には明確なメリットとデメリットがあります。
メリット:協調性を重視し、相手への配慮を前提としたスムーズな人間関係の構築が可能 デメリット:外部の人には誤解されやすく、数値化された調査では実態が表れにくい
ハイコンテクスト文化では、曖昧な表現を好む傾向があります。ローコンテクスト文化とは異なり、話し手はすべてを言葉にせず、読み手や聞き手が省略された表現を補って理解することが求められるのです。
ビジネスやSNSでのすれ違い
「言わなくても伝わるはず」という前提が、グローバルなコミュニケーションやオープンSNSで誤解を生む原因となります。特に外国人や多様な価値観を持つユーザーが混在する環境では、日本人特有の「察する文化」が通じないことが多いのです。
オタク的推し活はハイコンテクスト文化の最たる例
推し活コミュニティにおける暗黙ルール
推し活コミュニティを見ると、ハイコンテクスト文化の特徴が色濃く表れています。「わかる人だけわかる」前提共有や、言葉にしなくても熱量が伝わる独特のコミュニケーションスタイルがあります。
ファン同士では「この表情の意味」「この衣装の特別感」「このタイミングの重要性」などが、長い説明なしに瞬時に共有されます。
オープンSNSが推し活に向かない理由
しかし、X(旧Twitter)やInstagramなどのオープンSNSでは、こうした濃密なコミュニケーションに課題があります。外部の視線や炎上リスクを気にして発言がしづらく、本音や熱量を出し切れない状況が生まれています。
「推し」への愛情表現が批判されたり、誤解されたりすることを恐れ、多くのファンが自己表現を控えめにしてしまうのです。
オンラインサロンやファンクラブとの共通点
一方、クローズドな場では安心して交流できるため、推し活においても濃いコミュニケーションが自然に生まれます。参加者全員が同じ価値観を共有しているからこそ、短い言葉でも深い理解が可能になるのです。
なぜクローズドSNSは日本文化に合うのか?
「空気を読む」文化と閉じた場の相性
前提を共有している仲間内だからこそ、短い言葉でも通じるハイコンテクストなコミュニケーションが活きてきます。誤解や萎縮を避けて熱量を表現できる環境こそが、日本人に最適なSNS活用法と言えるでしょう。
企業・個人にとっての活用シーン
クローズドSNSの活用シーンは多岐にわたります:
アイドルやインフルエンサーのファンクラブ:ファン限定の写真や動画、生配信などで濃密な関係性を構築
スクールや講座の運営:受講生同士の交流促進と継続的な学習サポート
中小企業のファンマーケティングコミュニティ:顧客との深い関係性構築とリピーター育成
FAZZYが提案する新しい形
クローズドSNSプラットフォーム「FAZZY」は、まさにこうしたハイコンテクストな日本文化にフィットするSNS活用法を提供します。
イベント機能:特別な体験を共有する場を簡単に作成
会員限定記事:深い内容を安心して発信できる環境
アーカイブ機能:過去のやり取りや思い出を大切に保存
これらの機能により、推し活文化をはじめとした日本独特のコミュニケーションスタイルを最大限にサポートします。
まとめ
国際調査で明らかになったのは、同じデジタル時代に生きていても、文化的背景によってコミュニケーションスタイルは大きく異なるということです。日本人のハイコンテクスト文化は、オープンなSNSよりもクローズドな環境でこそ真価を発揮します。
推し活、ファンマーケティング、オンラインサロン運営にあたっては、この文化的特性を活かしたプラットフォームを選ぶことが成功のカギとなります。「空気を読む」日本人にとって、安心して本音を語れるクローズドSNSの価値は計り知れません。
FAZZYなら、日本文化に最適化されたコミュニティを誰でも簡単に構築できます。仲間と安心して交流できる空間を、あなたも気軽に始めてみませんか?
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