「推し活」と「ファンマーケティング」。
一見別物に見えるこの2つは、実は単なる消費からエネルギーを注ぐ存在への変化という点で深くつながっています。
「推し」とは、単なる「お気に入り」や「ご贔屓」ではなく、「応援したい存在」です。
さらにいうなら、推すという行為は自己表現の一種でもあり、「自分はこういう人間である」という属性を得る手段でもあります。
推し活を通して自己表現が深まると同時に、推しとの関係が育まれていくのです。

本記事では、ファンに“推される”ブランドや店舗になるための視点として、

  • 推し活的な自己表現の構造
  • ローカルビジネスにおけるファン戦略
  • クローズドSNSによる“自分ごと化”の設計

といった切り口で、中小企業や商店が実践できるファンマーケティングのヒントをご紹介します。

推し活とファンマーケティングは「感情を動かす関係性デザイン」

「推し活」という言葉を聞くと、アイドルやアニメ、VTuberといった“エンタメの世界”を連想する人が多いかもしれません。けれど、実はこの「推す」という行為、いま最も注目されるマーケティング戦略――ファンマーケティングの本質と見事に重なります。

推し活では、ファンが自らSNSで発信し、グッズを買い、他人に布教していきます。企業にとっての理想は、まさにこの「率先して語ってくれる存在」ではないでしょうか?

つまり、推し活とファンマーケティングは、どちらも「感情によって動かされる関係性のデザイン」なのです。

自分を語る手段として“推すブランド”を選ぶ時代

AppleやPatagoniaを推す心理

Appleを使っている。Patagoniaの服を着ている。スタバの新作をコンプリートしている――こうした行動には、単なる「好き」以上の意味があります。それは、「自分はこういう価値観の人間です」という自己演出の手段です。

人は誰かに見せる「私らしさ」を持ちたいし、それを語る素材がほしい。それゆえ、“推し”を通じて自分を表現しようとするのです。

マーケティングにおいては、この「自己演出としてのブランド選び」を意識することが極めて重要です。
そしてこれは、何も世界的なブランドだけに与えられた特権ではありません。

「Mon café」が生む、“私だけの推し”という感覚

筆者は数年にわたりパリに住んでいた経験がありますが、そこで特に印象的だったのが、フランス人の“行きつけ”文化です。

彼らはよく言います。「Ma boulangerie(私のパン屋)」「Ma boucherie(私の肉屋)」「Mon café(私のカフェ)」と。
別にそのお店が有名なわけではなくても、「自分を知ってくれている」「ここに属している」という感覚を強く持っています。

パン屋のおばさんが好みのバゲットの焼き加減(こんがり bien cuit/焼き色薄め pas trop cuit)を覚えていてくれる。
カフェの店主が「いつものね」とウインクしてくれる。

たったそれだけのことで、その店は彼らにとっての“推し”になっていくのです。

この「私だけが知っている」「ここが私の居場所だ」という感覚は、ローカルビジネス全般が持つ大きな可能性です。
むしろ、顔が見える関係性こそが“推される”ための一番の条件といって良いでしょう。

ローカルビジネスこそ、“推し活”の本質を体現できる

顔の見える関係性が信頼を育てる

大きな広告を打たなくても、ブランド戦略を緻密に練らなくても、ローカルビジネスには「つながりの濃さ」という最大の強みがあります。

小さな企画がファン化を加速させる

たとえば:

  • 文具店が蔵書印のデザイン人気投票を実施し、オーダー会を開催
  • 美容室が新しいトリートメントの使用感を会員だけに試してもらい、フィードバックをメニューに反映する
  • リカーショップが常連客限定でワインの試飲会を開催する

こうした“小さな工夫”こそが、「関係性という商品」を生み出し、「この店を応援したい」=推し活へとつながっていくのです。

“推される関係”を育てる場所──「自分ごと化」を支えるクローズドSNS

ローカルビジネスにおいて「推される存在」になるためには、ただ好かれるだけでなく、“自分の一部”だと感じてもらうこと=自分ごと化が不可欠です。

「この店の味を友達にも知ってほしい」
「この商品の開発には、自分の意見が反映されている」
「この場所があることで日常が少し豊かになる」

そんな感覚は、単なる購買では生まれません。
関係性の積み重ねによってこそ、人はその存在を“私のもの”だと思えるようになるのです。

その関係性を丁寧に育てる場所として、私たちが開発しているようなクローズドSNSプラットフォーム、FAZZYが役立ちます。

たとえば:

  • 常連だけがアクセスできる限定投稿(試作中の商品、裏話、スタッフ紹介など)
  • 予約や先行販売への優先参加(「あなたに一番に知らせたい」が鍵)
  • コメントやリアクションが温かく返ってくる空気感(売るより語り合う)

こうした空間があると、お客は「買っている」のではなく、「一緒に作っている」「一部になっている」と感じるようになります。

それこそがまさに、推し活のファンが味わっている熱量そのもの。
「応援する」という行為が、「関わる」→「語る」→「愛着になる」という好循環を生み出すのです。

まとめ|ファンマーケティングは有名ブランドだけのものじゃない!〜小さなビジネスこそ、ファンを育てる価値がある〜

「うちは予算も知名度もないから」と、ファンマーケティングを遠い世界の話のように感じていませんか?

けれど、推し活が教えてくれるのは、大きいことより、深いことの価値です。
AppleやPatagoniaだけが推されるわけではありません。
むしろ、距離の近い“あなたの店”だからこそ、誰かにとっての“Mon café”になれるのです。

人は、関係性の中に物語を見つけ、熱を持って語りたくなります。
そんな“推される関係”をつくるために、技術もツールもすでにあります。
あとは、あなたが「語りたくなる何か」を育てていくコミュニティ作りに向けて、一歩を踏み出すだけです。

クローズドSNS「FAZZY」で、推される関係づくりをはじめよう

FAZZYは無料で始められるクローズドSNS。

守られた空間で、ファンとの親密な関係をじっくり育んでいくことができます。
ファンとの交流をはじめ、ブランドストーリーや開発秘話を公開したり、新製品の共創の場としたりと、様々な活用が可能です。
また、ファン歴に応じてロールバッジを付与できるほか、新製品の先行販売、イベント開催などにも対応。

こうした機能は、単なる情報発信や販売促進にとどまらず、ファンとの「共創」や「物語化」を後押しします。
たとえば、普段は見ることのできない裏側を見せたり、開発中のアイデアを相談したりすることで、ファンはそのブランドや商品を「自分ごと」として語れるようになります。

FAZZYの空間は、売上や数字を追う場ではありません。 むしろ、ブランドやお店が「人」としてファンと関わることを大切にする設計になっています。 それが結果として、長く応援される関係、すなわち“推される関係”をつくっていくのです。「ファンを集める」から「ファンと育つ」へ。
FAZZYは、あなたとファンの間に、あたたかいつながりの場を提供します。

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